Profile
中国広東省生まれ、東京在住。広告代理店でTVCM制作や企業ブランディング等を担当。仕事現場の記録をきっかけとして、人生初の一眼カメラα7を購入。2015年に北海道の雪原で出会った美しさに魅せられ、風景が見せる一瞬の感動を撮り始める。IPA2017 Winner。National Geographic、BBC Travel、BBC Earth、CCTV、SINA、500px、Fstoppersなどでの作品紹介多数。海外のアート/撮影サイト、風景専門雑誌などの取材、掲載多数。2017年夏、個展「Amazing Moments」をSONY IMAGING GALLERYにて開催。
話題のカーボン製トラベル三脚シリーズ「VEO 2」を使い、日本、中国、欧州の大自然を撮影しているKyon.Jさん。世界を股にかけた撮影にVEO 2がどのように活かされているかを聞いた。
国内で撮る場合は長野がいちばん多いです。昨年(2016年)は北海道、青森、秋田、京都などに行きましたが 、国内よりも中国やノルウェーなど海外で撮ることに楽しさを感じています。かなり頑張らないと到達しない場所に行き、さらにそこでかなりの待ち時間がないと撮れないような瞬間を撮る、というような過酷な状況に自分の身を置きたいんです。これからは海外の険しい山を攻めていきたいですね。人が行っていない雄大な自然の中に身を置きたいんです。でも登山は嫌いで、できればヘリコプターで一瞬で上に行きたいくらいです(笑)。
昨年からスタートさせた中国での撮影は、5年間くらいは続けるつもりです。中国はとても行きづらい場所が多く、飛行機、電車、バスを乗り継ぎ、移動だけで数日かかることもあります。
先日個展をやり、いろんな方に中国など海外の写真を見て頂きました。独立をしたらとたくさん言われて、お気持ちはすごく嬉しいんですね。現在広告代理店に勤めていて、今は営業職ですが、将来はクリエイティブ職やアーティスト職のプランナーとして、会社でしかできないことをコンテンツとして作っていきたいと思っているんです。サラリーマンで趣味として写真をやることで、自分が撮りたいものだけを選択することができると思うんです。”好き”という気持ちで撮影することが自分にとって一番大事です。
飛行機の搭乗が必須の撮影ばかりなので、トラベル三脚は欠かせません。最近は2本のトラベル三脚をカメラバッグのサイドに取り付けていて、手荷物として機内に持ち込むようにしています。1本は通常の撮影用、もう1本はタイムラプス撮影用。ボディはソニーのα7R II とα7S 、レンズは多くて5本も持っていくので、三脚はできるだけ軽い方がいいですね。そして、水への強さと頑丈さ。この3つがわたしの三脚選びの基本です。
滝や渓谷はよく撮影します。足場は濡れていて苔で滑りますが、石突きに3段階の角度があり摩擦力があるため、しっかりと止まるんです。また、1本の脚だけが長くせざるを得ないようなとき、丁寧に考えながら設置していると撮影のタイミングを逃してしまうので、咄嗟に安定するポジションを探しますが、そういうときにツイストロック式だとスピーディーに操作できるので助かります。海辺など、脚を水中に突っ込んで撮影をすることも多く、水に強いことや砂が入り込まないことはとても重要。ツイストロック式は水が侵入することがなく錆びないので安心です。
長野県の蓼科大滝で撮った1枚です。フィルターを使うことは少なく、滝もさほど長時間露光をしません。写真は一瞬が勝負、という感覚を大切にしているので。でも、使っているソニーα7R IIは高画素機で少しのブレも目立ってしまうので、三脚は必ず使うようにしています。この撮影でも三脚を川の中に突っ込み、自分は岩の上に立っています。
カメラには常にアルカスイス互換のL型プレートを付けていて、VEO 2の導入を検討したときには真っ先にアルカスイス互換かを確認しました。プレートだと瞬時に着脱ができるので愛用しています。雲台はボールヘッドの方が好み。VEO 2のシステムは、こうあって欲しいという機能が全て付いていました。ボールヘッドのフリクションコントロールは常にきつめにしていて、カメラを着脱するときだけ緩めるようにしています。
長野県の渋峠から撮影した雲海です。時間帯は朝の6時前後くらい。車で行ける場所で人気スポットです。この日も数十人撮影に来ていました。かなり暗かったので、長時間露光をしています。望遠レンズで長時間露光をしていてもブレなどはまったくありません。こういう時間帯に撮るのが大好き。少し前までは星空も撮っていましたが、カラフルな空ばかりを撮りたいなと思うようになりました。一瞬の光や色に惹かれているのだと思います。
渋峠での撮影後、白駒の池に立ち寄りました。かなり日が高くなってしまったので作品は撮れませんでしたが、このくらいセンターポールを伸ばしても大丈夫、ということを伝えたくて記録写真を撮ってきました(笑)。油圧式でセンターポールが急に縮むこともないので安心です。撮影の時間帯は早朝と夜がメインで、日が高くなってしまったら撮影しないですね。昼間は寝る時間。国内で週末撮る場合は、金曜の夜に出発して土曜の朝に撮ります。体力が残っていたら日中は休み、夕方から撮影をして帰宅するという感じですね。
長野県の野尻湖です。いつもこんなスタイル。人がいない場合は、カメラバッグをスタートポイントに置き、三脚を肩に担いで撮影場所を探します。ここで粘ろうという場所が見つかったら、荷物を持ってくるという感じですね。1本の脚にすべり留めハンドグリップが付いていて、ラフに持ちやすいのもいいですよね。アルミ製の三脚だと冬場皮膚にくっついて怪我をしてしまうのでカーボン製であることは大切。グリップも付いているとさらに安心感があります。
野尻湖には夕方に到着しましたが、かなり曇っていました。でも、急に晴れてくることがあるかもしれないと思い待ち続けたら、空の上の方は色づき、地上は暗くなり眠りにつく直前のような対照的な色に。昼間は賑わうけれど夜になるとひっそりとする長野ならではの雰囲気が表現できたと思っています。撮影場所に長く留まり、色の変化をずっと見続けるという撮影スタイルを基本にしています。
日没後すぐの野尻湖です。写真以上に暗い状況でした。本当はレタッチで電柱を消そうかなとも考えたんですが、電柱があることによって、人が暮らしている場所だということがわかるので残すことにしました。曇っていて霧が立ちこめていたので空の色はありませんでしたが、寒そうな雰囲気を出すことができ気に入っています。
白駒の池の近くにある「苔の森」という場所です。ジブリの世界観のような場所と言われていて、立ち寄ってみました。何を撮るかは決めていなくて、ぶらぶらと三脚を担いで歩いていたんですね。そうしたら光が急に射し込んできて、スポットライトのように苔が照らされている様がとても美しいなって。暗闇の場所はまだ寝ているのに、光が当たっている場所は生きているような感覚。この日はスポットライトを辿って撮影をしました。1カットだけローアングルすぎて三脚が使用できませんでしたが、ディテールをしっかり出したかったのと、森の中はかなりの暗さだったので他の作品は三脚を使い撮影しています。
もう1本使っている三脚はかなり高価で少しでもぶつけると気になってしまうくらい。それと比較するとVEO 2は機能面は同等なのに気軽に使えるところが気に入っています。山を歩くときなどは、杖の代わりにしたりすることまであって、「荷物」ではなく撮影をサポートしてくれる「道具」として三脚を扱えるのはわたしにとって大切なことなんです。VEO 2は撮影をあらゆる面でサポートしてくれる存在だと感じています。
VEO 2<ヴィオ2>はバンガード初のトラベル三脚VEO<ヴィオ>の後継で、バンガードオリジナルのユニークなセンターコラムを継承。1本のセンターポールを反転する事により、素早いセッティングが可能です。マットなアンスラサイトカラーでよりスタイリッシュで滑らかな質感になりました。ヴィオコレクションのカメラバッグとのカラーコンビネーションも抜群です。
VEO 2三脚は、全9モデル。パイプ直径23mmモデルにはブラック、レッド、ブルーのカラーバリエーション、パイプ直径26mmモデルにはカーボン製とアルミ製があり、多彩なラインナップとなっています。またすべての雲台はアルカスイス互換となっております。
→ トラベル三脚「VEO 2」の詳細はこちら
→ 「VEO 2 265CB」が2017年度グッドデザイン賞を受賞いたしました
東京カメラ部がFacebookページにてシェアした写真の中で、各カテゴリー内でクチコミ度*1が高かった写真とその写真を撮影された方です。シェアは東京カメラ部とその全ての分室に投稿いただいた作品を対象に基本毎日7作品程度行っています。
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