VE2 265CB

10選2016 半田菜摘

Profile
1986年 北海道旭川市生まれ  友人の素晴らしい風景写真を見て感銘を受け、自分も同じ景色を見てみたいと思うようになり2013年より写真を始める。 ある日、写真を撮りに外に出ると一匹のエゾリスに出逢った。素早く動き回る被写体に苦戦し、気付けばその難しさに夢中になっていた。 それからは野生動物をメインで撮影するようになる。 野生動物を探し出逢えた時の喜びと、生態を知る楽しさ、そしてシャッターを切るまでの集中力、その全てがエキサイティングだ。 動物たちとの出逢いに感謝し撮影を続けている。




バンガードオリジナルのセンターコラムを採用したカーボン製トラベル三脚シリーズ「VEO 2」。北海道の山中で野生動物を撮影している半田菜摘さんは、1.3kgの軽量を誇るVEO 2を愛用している。トラベル三脚を登山撮影で使う理由と使用感を聞いた。

東京カメラ部10選 トラベル三脚 VEO2 Hands-On Review Vol.2 10選2016 半田菜摘

VEO 2を手にするまで、日帰りの動物撮影では極力手持ち撮影をしていました。山中に分け入っていくので、できる限り装備を軽くしたいと思っていたんです。三脚を使うのは600mmの望遠レンズを使用するときと、テント泊をすると決めていて星空や早朝の雲海などを撮るとき。譲り受けたトラベル三脚を使っていましたが、とても高価なものらしく、自分で購入するとなるとためらうような金額でした。実を言うと、一度だけ自分で三脚を買ったのですが、安かろう悪かろうというもので脚を延ばすと不安定で、周囲の人に「割りばし」って揶揄されたり、それなら使わない方がマシと言われることもあったんです。VEO 2の価格を聞いたとき、あまりのコストパフォーマンスにビックリしました。

東京カメラ部10選 トラベル三脚 VEO2 Hands-On Review Vol.2 10選2016 半田菜摘

テント泊をするときのリュックの重さは16~17kgになります。ですから、三脚はできる限り軽くしたいです。カメラ関係の装備は、一眼レフのボディ1台にズームレンズを中心に2~3本のレンズ。動物撮影には望遠ズームが必要なので、80-400mmの重量級望遠ズームを使っています。わたしは冬山にも登るのですが、重さだけでなく、寒い中で使用するときにカーボン製三脚は必須。マイナス20度以上の寒さになるためアルミ製だと手の皮膚が張り付いてしまい怪我をしてしまうんです。アルミ製は素材的に怖さがあります。

東京カメラ部10選 トラベル三脚 VEO2 Hands-On Review Vol.2 10選2016 半田菜摘

脚の1本には握りやすくするためのグリップ素材も巻かれています。使いやすさに驚きました。

東京カメラ部10選 トラベル三脚 VEO2 Hands-On Review Vol.2 10選2016 半田菜摘

赤岳の山頂から撮影した星空。夏には毎年一度は登る山です。三脚を使い15秒ほどの長時間露光で撮影しています。専門的にというよりは、登山のついでという感じくらいの撮影方法ですが、山頂から星空を撮る人は少ないので、わたしのひとつの売りにしています(笑)

VEO 2はセンターコラムが独特の仕組みなので、月明かりしかない状況でもセッティングがとても楽ですね。脚を伸ばしても充分な太さがあり、信頼感もあります。山頂付近は風が強いことが多いんですが、強風の中でも安定して星空を撮影できるのは心強いです。

東京カメラ部10選 トラベル三脚 VEO2 Hands-On Review Vol.2 10選2016 半田菜摘

山頂の朝は雲海が出ることが多く、ご褒美のようなものだと思っています。この写真も三脚を使用しています。風景をしっかりと撮るときは、やはり三脚を使った方がいいですね。

東京カメラ部10選 トラベル三脚 VEO2 Hands-On Review Vol.2 10選2016 半田菜摘

シマリスです。視界全体の中に動くものはいないかな、という感じで探していき、動くものを見つけたらしっかりと目で追っていくという見つけ方をしています。この写真は三脚を使っているんです。

東京カメラ部10選 トラベル三脚 VEO2 Hands-On Review Vol.2 10選2016 半田菜摘

昨年、シマリスを見かけたあたりだったので、おそらくこのあたりに出てくるだろうと思い、カメラを三脚にセットして待っていたんです。10分ほどで出てきてくれましたが、このように待つ撮影は三脚にカメラを乗せておくと楽ですね。違う場所から出てきたら、三脚ごとカメラを振り回し、自由雲台で瞬時に構図を決めて撮影します。不規則に動く動物相手の場合、自由雲台はとても使いやすいです。

東京カメラ部10選 トラベル三脚 VEO2 Hands-On Review Vol.2 10選2016 半田菜摘

わかりづらいですが、右の方にエゾナキウサギというウサギ科の動物がいます。北海道の高所にしか生息していません。この子は鳴き声に特徴があるので、鳴き声が聞こえた方を探します。これも岩場に三脚をセットして出待ちをして撮りました。

東京カメラ部10選 トラベル三脚 VEO2 Hands-On Review Vol.2 10選2016 半田菜摘

かなりゴツゴツとしていて高低差のある岩場でも、石突きがしっかりとグリップして安定感がありました。脚の長さの調整もツイストロック式の方がスピーディーにできますね。あと、レバー式だと登山道に生えているハイマツが引っかかるんです。歩きやすさの面からもツイストロック式がうれしいです。

東京カメラ部10選 トラベル三脚 VEO2 Hands-On Review Vol.2 10選2016 半田菜摘

北海道の東側にある野付半島で撮影しました。クマがいなくて鹿がたくさんいる場所なんです。さらに狩猟禁止で敵がいないんですよ。外国のような美しい風景が広がっており、その風景と鹿を撮りたいなと思い三脚をセットして待ちました。この場所に決めた理由は、風が強い中リフレクションがキレイに出ている場所だったからです。動物が静止してくれるのであれば長時間露光で撮りたいですね。

東京カメラ部10選 トラベル三脚 VEO2 Hands-On Review Vol.2 10選2016 半田菜摘

VEO 2は120点をあげていい三脚だと思っています。この性能で実売3万円以下(税抜)。三脚選びに迷っている方には絶対におすすめします。三脚は一生ものと言われるくらい長期に渡って愛用するものじゃないですか。それがリーズナブルで手に入るのであれば、決して高い買い物ではないと思います。いまでも悔やまれるのは、新婚旅行で行ったウユニ塩湖。写真をはじめて間もなかったので三脚を持っていくという頭がなかったんです。あのとき、撮り逃した絶景の星空…。新婚旅行をやり直したいです。三脚があれば撮影の幅は広がるということを、そのときに学びました。

VEO 2<ヴィオ2>はバンガード初のトラベル三脚VEO<ヴィオ>の後継で、バンガードオリジナルのユニークなセンターコラムを継承。1本のセンターポールを反転する事により、素早いセッティングが可能です。マットなアンスラサイトカラーでよりスタイリッシュで滑らかな質感になりました。ヴィオコレクションのカメラバッグとのカラーコンビネーションも抜群です。

VEO 2三脚は、全9モデル。パイプ直径23mmモデルにはブラック、レッド、ブルーのカラーバリエーション、パイプ直径26mmモデルにはカーボン製とアルミ製があり、多彩なラインナップとなっています。またすべての雲台はアルカスイス互換となっております。

トラベル三脚「VEO 2」の詳細はこちら
「VEO 2 265CB」が2017年度グッドデザイン賞を受賞いたしました

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